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12月21日(水)ノーフェンス集会無事終了!

池明観(TK生)氏、今こそ北朝鮮を語る

日時 午後5時~午後7時  会場 人権ライブラリー

報告は会報に掲載。

 

 

 

「2016年12月8日ワシントンでの北朝鮮政治犯収容所が反人道犯罪を犯しているか否かを吟味する国際模擬裁判」に関する重要資料

VOA記者の裁判長ナビ・ピレイ女史へのインタビュー(12月14日)

ナビ・ピレイ前国連人権高等弁務官は北朝鮮政治犯収容所の反人道的犯罪と北朝鮮政権の政策との連関性を詳細に明らかにする計画であると話した。ピレイ前人権高等弁務官は、南アフリカ共和国上級法院の初の国際刑事裁判所の女性有色人種検事出身として、国際刑事裁判所(ICC)裁判官、ルワンダ国際刑事裁判所長を歴任した。特に人権高等弁務官時代に国連北朝鮮人権調査委員会の設立を主導した。金ヨングォン記者が最近ワシントンを訪問したピレイ前弁務官にインタビューした。

記者)去る8日ワシントンで開かれた北朝鮮政治犯収容所の反人道犯罪を扱う模擬裁判の裁判長を引き受けられました。この模擬裁判はどのような意義を持つものですか?

ピレイ前弁務官)国際弁護士協会がこの行事を主催して、調査を担当する専門家たちと3名の裁判官を設けました。また公開行事を通して北朝鮮政治犯収容所に関する証拠と証言を全て聴きました。これを通して我々は正義と責任の追及の困難さを経験していること、最悪の犯罪が闇の中で長い間継続していることを知りました。ほゞ半世紀以上このような犯罪が継続しているのに、私の目には国連や国際的指導者たちの間では余りにも関心を持たれないで来ました。この模擬裁判が重要なのは、遂に北朝鮮政権の政策と法が政治犯収容所運営と直結していて、これが反人道的犯罪に該当していることを法的に提起する出発点であることです。

記者)ピレイ前弁務官が在任時代に設立を積極的に支援された国連北朝鮮人権調査委員会(COI)は最終報告書で、北朝鮮内で反人道的犯罪が恣(ほしいまま)に行われていると明らかにしました。報告書とこの模擬裁判とはどのような違いがありますか?

ピレイ前弁務官)国連北朝鮮人権調査委員会報告書は、北朝鮮の中のあらゆる人権蹂躙問題を扱っています。反面私たちの模擬法廷は政治犯収容所の反人道的犯罪だけを扱います。収容所内では余りに多くの人権犯罪が恣行されています。私は国連人権高等弁務官在任時代に既にこれに対して深い憂慮を明らかにしました。今や北朝鮮政権の人権蹂躙がなぜ反人道的な犯罪に該当するかをあらゆる国際法を動員して明らかにすることです。こうしてこそ正義と処罰を追求することになります。

記者)具体的に国際社会の指導者たちに何を促すつもりですか?

ピレイ前弁務官)まだ初期段階であるために詳細な内容を明らかにするに至ったと見ます。私たちが履む手続き一つ一つが、国際的指導者たちの関心を喚起するためのものでしょう。今回の模擬裁判もその過程の一つです。私の生涯を振りかえって見ると、一歩を踏み出す毎に、そこに相応しい手続きとマッチする(世論の)声がありました。もし私が国連人権高等弁務官在任中に北朝鮮の人権問題を国連人権理事会に核心事案として要求しなかったなら、国連北朝鮮人権調査委員会は設立が難しかったでしょう。今回の模擬裁判も同じです。その上今回の裁判はインターネットで全世界に中継されました。また裁判を盛り込んだ映像を北朝鮮の住民たちに送る予定であると聞いています。このような過程の一つ一つがあらゆる北朝鮮の人権改善を進める手続きだと考えます。

記者)公開模擬裁判は終わりました。これからどのようなことをされますか?

ピレイ前弁務官)私たちは公式的な司法裁判官ではありません。ただの合議体(panel)です。しかし経験の豊富な前職裁判官たちが証拠類を非常に慎重に検討して結果を発表する点では、この過程は有益です。私は(国際司法裁判所裁判官であった)トーマス・ビケンダル前裁判官とマーク・ハーモン前カンボジアクメールルージュ戦犯裁判官と共に、60日内にその結果を盛り込んだ報告書を発表いたします。北朝鮮政治犯収容所の中で行われているどのようなことが具体的に反人道的犯罪に該当するかをとても詳しく作成する計画です。

記者)模擬裁判に出席した脱北者出身の証人たちは、異口同音に北朝鮮の住民たちが本当の民主主義や人権の概念すら知らないことが問題だと指摘しました。だから被害を受けても、それが問題であることすら知らないと言っています。戦犯裁判官と国連人権高等弁務官をしてきた方として、北朝鮮の住民たちにどのようなメッセージを伝えたいとお考えですか?

ピレイ前弁務官)どんな人も人間が当然持つ基本的権利があると伝えたいと思います。模擬裁判に出席した証人たちが証言した、収容所内で経験した肉体的、精神的苦痛は全て人権違反であり間違ったことです。彼らもそれを感じわかっています。このようなことは神が人間に賦与して教えてくれたものではありません。従って我々は世界人権宣言に依拠した正しい事実を人々に教え伝えねばなりません。私の祖国である南アフリカ共和国もある時、有色人種差別政策であるアパルトヘイトのために多くの被害を受けました。我々は被害者でしたが、人権を知らなかったために、何も言えませんでした。人権弾圧を企てる者たちと政府権力は私たちに人権を教えませんでした。今はどうですか?南アフリカ共和国の住民すべてが人権と民主主義を自由に語ることが出来、その権利を主張することが出来るようになりました。このような変化が北朝鮮でも可能です。我々が国際社会と北朝鮮住民たちを互いに連携させ、人権がなんであるかを北朝鮮の住民たちが知ることのできるよう手助けできたなら、我々は今とは違う北朝鮮を見ることが出来るでしょう(小川晴久訳)。